1980年10月10日 トリシャ・ブラウンと中谷芙二子がコラボレーション作品《Opal Loop》を制作する。E.A.T.が技術協力。
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日付:1980年10月10日
小咄:
ペプシ館を覆うために開発され、IEIEでは風を可視化するセンサーとして島に持ち込まれた中谷の人工霧。この「ネガティブ彫刻」をダンスの舞台装置として使うという美しいアイデアにはひとつ大きな欠点がある。ノズルから噴出される微細な水の粒子によって床が水浸しになってしまい、ダンサーたちが滑ってしまうのだ。相談を受けたクルーヴァーはアメリカン・フットボール場のベンチで使われている巨大な熱風送風機をステージの下に設置することで床の温度を上げ、霧の水滴がすぐに蒸発して床がつねにドライに保たれる仕掛けを考案する。こうして、屋外で霧の形状を造形してきた風は、屋内では見える霧を動かす動力源のほかに、舞台で上演される出来事を条件づける不可視なインフラという二重の役割を担うようになる。「背景に湧き上がる雲、舞台に漂いダンサーとともに踊る雲、ダンサーをのみ込む霧。舞台を埋め尽くして客席へと押し寄せる霧。対流を逆転させて瞬時に霧を晴らす技術、熱力学と流体気学の応用で気流を制御し、ノズルのON / OFFで霧を含んだ気塊の量や動きを操作する方法など、屋内用の数々の手法をE.A.T.の協力により開発した」。
場所:
#米国
#ニューヨーク州
#ニューヨーク
関係者:
#トリシャ・ブラウン
#ビリー・クルーヴァー
#中谷芙二子
#タイプ:出来事_SIDE-B
#1980年